司法書士の業務内容
1 不動産登記
不動産の登記名義人に変更が生じた場合に登記手続きを行います。
(1)相続
相続が発生し、被相続人が不動産を所有している場合に、登記手続きを行います。なお、当事務所では、相続登記のみならず、相続放棄や検認手続き等の家庭裁判所に提出する書類の作成も行っております。
イ 法定相続分で登記をする場合
→民法で定められた相続分に応じて登記を行います。
- 配偶者と子が相続人であるときの相続分は、配偶者が2分の1、子が2分の1です。
- 配偶者と直系尊属(被相続人の父母のことです。)が相続人であるときの相続分は、配偶者が3分の2、直系尊属が3分の1です。
- 配偶者と兄弟姉妹が相続人であるときの相続分は、配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1です。
ロ 相続人が複数いる場合で特定の相続人に相続させたい場合
→相続人全員で遺産分割協議を行い、遺産分割協議書に署名押印をして登記を行います。
なお、相続人の中に未成年の子がいる場合、親権者と子との利益相反となるため、特別代理人の選任を家庭裁判所に請求する必要があります。
ハ 被相続人が遺言を作成していた場合
→自筆証書遺言の場合は、家庭裁判所に遺言書を提出して、検認を請求する必要があります。 なお、法務局で遺言書を保管している場合は検認が不要です。
→公正証書遺言の場合は、家庭裁判所での検認手続きは不要です。
ニ 相続人になりたくない場合
→被相続人が多額の借金を抱えていた等の理由で相続人になりたくない場合は、相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所に相続放棄の申述をする必要があります。
(2)抵当権抹消
金融機関の住宅ローンを完済した場合、抵当権等の担保権を抹消する手続きを行います。住宅ローンを完済した際に金融機関から発行される抵当権抹消書類をご持参ください。
2 法人登記(会社登記)
会社の登記事項(登記簿に記載された内容)に変更が生じた場合に登記手続きを行います。なお、舞鶴市をはじめとする京都府内にある会社の管轄は京都地方法務局(京都市)です。
(1)会社設立
会社を設立するときに登記手続きを行います。なお、取締役が1名のみであっても会社を設立できます。また、資本金の額が1円からでも会社を設立することができます(ただし、定款認証費用、登記手続費用等は、通常の会社と同様に発生します。)。
(2)役員変更
取締役等の役員に変更が生じたときに、登記手続きを行います。
株式会社は、同一人物の方が役員を続ける場合でも、会社法で定めた任期(定款で定めた場合はその任期)ごとに株主総会等で再任手続を行い、役員変更登記をする必要があります。
(3)機関変更
会社の機関(取締役等の役員をイメージして下さい。)を会社のニーズに応じて変更するための登記手続です。
会社法施行前は、株式会社といえば、原則として取締役が3人、代表取締役1人と監査役1人を置く必要がありました。しかし、会社法施行に伴い、様々な機関設計が可能となり、株式会社であっても定款変更決議を行い、役員を(代表)取締役1名のみとすることができるようになりました。
3 債務の整理
司法書士(簡裁訴訟代理等関係業務認定司法書士に限る。)は簡易裁判所における手続きについて代理することができます。
司法書士は、借金の問題を抱えている方の相談を受けます。また、債務整理に関する委任契約締結後、業者からの取り立てを止めたり、業者と借金に関する交渉をします(ただし、司法書士法第3条の範囲に限定されます。)。
債務整理の方針は、主に任意整理、自己破産、民事再生、過払金返還請求があります。
(1)任意整理
任意整理は債務を利息制限法に基づき引直計算をした結果、債務が残る場合、業者と交渉し、依頼者が支払える範囲で毎月分割弁済を行う手続です。
(2)自己破産
自己破産は債務を利息制限法に基づき引直計算をした結果、債務が残る場合で、依頼者による債務の支払ができない場合に、破産手続開始決定の申立書類を作成する手続です。
(3)民事再生
民事再生は債務を利息制限法に基づき引直計算をした結果、債務が残る場合で、住宅を維持したい場合等の事情がある場合に、再生手続開始決定の申立書類を作成する手続です。
(4)過払金返還
過払金返還は債務を利息制限法に基づき引直計算をした結果、利息の過払いが生じている場合、業者と交渉し、払いすぎた利息の返還を求めます。業者が払いすぎた利息の返還に応じない場合は、不当利得に基づく過払金返還訴訟を提起し、過払い金の返還を求めます。
4 成年後見等
判断能力が低下した方を保護するための制度として、成年後見制度があります。
家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族等の請求により、後見開始の審判をします。後見開始の審判を受けた成年被後見人には成年後見人が選任されます。成年後見人は、成年被後見人を代理して財産に関する契約をします。また、成年後見人は、成年被後見人が悪徳業者等と行ってしまった契約についても取り消すことができます。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については取り消すことができません。
成年後見人は、成年被後見人の生活、療養看護及び財産の管理に関する事務を行うに当たっては、成年被後見人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければなりません。
この制度は、判断能力が低下した程度に応じて、後見、保佐、補助の3つの分類があります。